#1 同級生なんてこわくない

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「ねえ、駕木くんはどうしたら黙っていてくれる?」  と香坂はまたブラウスに手をかけて、服を脱ぎだした。 「ええっ」  駕木は二度目の悲鳴をあげて、手をジタバタさせている。  止めたいのは山々だが、香坂の腕に触れることも気が引けた。 「まだるっこしいのは、嫌いなの」  香坂はブラウスを脱ぎ捨てると、今度はスカートのチャックを解いて、振り落とした。  下着姿になった香坂の、なまめかしく健康そうな白い肌を露わになる。  その透き通るような白さと、淡いブルーの下着が相俟って、なんだか神々しく見えた。  駕木は気が動転して、もう泡を吹きそうである。  すると香坂は、その身をピタリと駕木にくっつけて、駕木の頭を抱いたのだった。 「こ、こ、こ、こ……」  香坂さん、と言いたい駕木だったが、もはや緊張と硬直から言葉にならなかった。  全身が熱に包まれ、燃えているような錯覚さえ起きる。  だがそこで、香坂がきゅっと力を入れた。  それは愛情を演出しようとして、そうしたのかもしれないが……  このとき駕木の身体に、震えが伝わった。  一瞬のことであったが、それは自分の震えではなく、香坂の震えであった。  その一瞬で、駕木はまたたくまに冷静になった。  駕木は香坂の腕をぐっと掴んで、頭を引き抜いた。  そして身体を離すと、香坂を睨みつけながらこう言ったのだった。 「香坂、それはダメだ」 「えっ」  香坂はきょとんとしていた。  自分がなにを言われたのか、理解できていないようだった。
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