#2 幼馴染なんてこわくない

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「色男だね、駕木くん」  東郷湊は聡明なる女傑として、この高校に君臨する3年生である。  駕木と家込が萎縮するなか、 「聞きつけるのが早いのね」  香坂が悪態をついた。  東郷は有閑な素振りで机に近づくと、片肘をついて香坂を威嚇した。  悦に入ったその態度は、宝塚の男役を思わせた。 「見てごらん、駕木くんがすっかり混乱している」  駕木にはもう思考力がほとんど残っていないかった。  けれども東郷は、駕木を救うどころが、追い打ちをかけることを言うのだった。 「彼女たちが、いったい何について話していたか、教えてあげよう?」 「ふへ?」 「彼女たちは――ドラゴンの話をしていたんだよ」 「……ドラゴン――」  駕木の目は点になり、残されていた思考力も底をついた。
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