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「とにかく、私と一緒に行きましょう。あなたにはここ、21世紀は早すぎるのです」
「えっ? いや……」
「おや。それとも、あなたはこの世界に未練があるのですか? あなたほどの天才をグズ呼ばわりする、この未開の時代に?」
そうだ。あるわけがない。だっていま、自分の手で人生にピリオドを打とうとしたばかりではないか。
私は首に巻き付けていたロープを投げ捨て、才能救出公社の職員と名乗る男の後ろについてカプセルへ乗り込んだ。
さよなら、グズな私。さよなら、21世紀。
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