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「でも、やっぱりそういうのが良いんかな?だったらそれに似たやつも考えてるで?」
「へえ…どんなん?」
男がやや期待するように彼女に視線を投げる。
「俺をパンツで洗ってくれないか?」
「エロいわ、なんか」
しかし、もちろんまともな回答が返ってくるはずもなく、男はここでも律儀に突っ込んだ。
「そうかな?」
「なんか、そーいうプレイみたいやわ」
男のその言葉に、女は「うーん」と唇に人差し指を当てる。そして3秒くらい経って、頭の上の電球が光るように嬉しそうに口を開く。
「じゃあ…俺のパンツを一生作ってくれないか?」
「荷が重いわ。モチベーションも上がらんし」
「ほな、どんなんやったらええんよ!」
今度は女の方の語気が若干荒くなる。おそらく彼女を怒らせたら怖いという認識が刷り込まれているのだろう、焦ったように彼は両手を使って「どうどう」とまるで動物を落ち着かせるような所作をとった。
「そりゃ、やっぱりシンプルに結婚しようって言うのが一番やろ」
そして、少しだけ考えて若干照れながら彼がそう言うと、彼女は首を横に傾けた。
「欠陥ショー?」
「できれば見たくない」
「舌根使用?」
「なんかテクニシャンっぽい」
「結婚しようと決心するも、欠陥ショーにて舌根使用!イェア」
「急になんやねん!全然プロポーズできてへんやん!」
「まあ、結局プロポーズの言葉は男が考えるべきってことやな」
「もうええわ」
「いや、よくないやろ」
彼らのまくしたてるような応酬が、彼女のその言葉によって急にストップされた。
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