覚えていなくても

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 次の日の朝早くから呼び鈴がなった。何度も押される呼び鈴は急かしているように聞こえた。隣で寝息が聞こえ、起こさないよう玄関に向かった。  出てみると若い男が立っていた。僕と同じくらいの歳でぼさぼさ頭が特徴的で青いピコートを来ていた。 「朝早くからすいません。莉央さんいませんか?」 「分かりました。呼んできます。」 僕が呼びにいこうと家のなかに戻ろうとすると引き留められた。 「なぜ僕に敬語を使うんですか?」 「なぜってそりゃ初対面の相手…」 莉央という名前を出したところで気づくところだった。敵かどうか分からないが、とりあえず彼女を呼んでこよう。 「少しそこで待ってて。すぐ呼んでくる。」 長い廊下を走り、自分の寝室のドアを開ける。 「どうしたの?こんな朝早くから。」 息を整えながら説明すると、彼女はベッドから降り、部屋を出ていった。僕が玄関に着く頃には、彼女たちは談笑を交えていた。 「この人は仲間なのか?」 僕がそう聞いた。 「私たちの部下だった人だよ。」 「だった?じゃあ僕を殺そうとする仲間って事だよな?」 彼はそこで口を挟む。 「今日はあなたを観察しに来ました。」
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