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(母の地位を脅かす女が憎いか)
(それとも母に抱かれる義理の弟が憎かったのか)
(子どもの気持ちは分かりませんね)
「親が殺されそうになったんだもの、不安になるのはしょうがないよ。母親が危険な目に遭ったのに、目の前の人達は笑っている……母親を思う子どもの気持ちを考えたら、宴は自粛するべきだったのかもしれないね」
(犯人が捕まるまで?)
(犯人は捕まりますか?)
(犯人は本当に第2王妃様なのでしょうか)
「情報が少なすぎて分からないよ。せめて王妃様が何を口にされたのか分かればいいのに……こうしている間にも、いつまた王妃様が狙われるか分から──……」
「……」
「……ヒィッ!?」
「ヒィッ!? じゃない、拝礼しろ、拝礼を! ったく……成長しない奴だな」
すかさず頭を下げた相手は、従者を1人連れたクラウンだ。一方的に見かけることは何度かあったが、言葉を交わしたのは随分と久しい……ここ2年間は無かったように思う。
連れている従者も同年代の若者だ。クラウンが政務に関わるようになってから、常に彼の背後に控えている。その目はジッと人を見定める騎虎のような印象だ。
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