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マナの答えにコジュは腕組みをしながら大きく頷いた。
仕事に強い責任感を持っている彼女が事件に関わっていることはないだろう。マナの質問に答えながら、手振りで的確な指示を出す監視の目も侮れない。不審な動きをしようものなら、目ざとく見つけてすぐに噛み付いてきそうだ。
「何を口にして倒れたのかは、明らかになっていないんですよね?」
「意識を失った時に全ての料理をお皿ごと床に落としてしまったみたいだから、それは分からないわね。女官も食事の時は席を離れるから、その瞬間は確認していない」
「なるほど……ちなみにお飲み物は何を?」
「陛下と王子様は発酵酒、王妃様は香茶を食事中に飲むわ。スリリカ様と王女様は食後にそれぞれ香茶とヤギの乳を」
「香茶というのは……あ、これですね!」
「触らない!!」
「!!」
「まったく……管轄外の女官ならそのくらいのこと分かるでしょう!? 何か起きたら疑われるのは自分になるのよ!?」
「……はい、すみません」
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