六章/花

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マナの話を聞き、ウンマは床に平伏した。毒花を金徳菊と疑わず、毒味もせず、軽率に振る舞ってしまったのは己の非。職務怠慢が起こしてしまった重罪だと、額を床にこすりつけて謝罪した。 「私を死罪にしてください……ッ……私が直接、王妃様に毒を盛ったも同然です……ッ……知らなかった、気付かなかったでは許されるものではないのです!!」 「……ウンマ」 「女官を育てる立場でありながら……なんて愚かな……ッ……毒盃を賜ります、どうか私を死罪に「ウンマ様が淹れたから、王妃様は命を取り留めたんですよ」 「……」 「熱すぎる熱湯でも、長く煮出した場合でも、毒は濃く抽出されてしまいます。私のような半人前が淹れていたら、おそらく王妃様の容体は意識障害だけでは済まなかったでしょう。それにこのコロリウシは……」 「……まだ何かあるのか?」 「ノアには存在しない花なんです」
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