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「大官に……確認する必要があるな。マナ、他の茶葉にも不審な点はないか調べておいてくれ。床を片付けた後は自分の職場に戻れ」
「あ、はい!」
「セシルは母上とウンマのことを頼んだぞ。しばらく付き添ってやってくれ」
問題の茶缶をつかみ取って、クラウンは部屋から出て行った。それと同時にバルコニーから姿を現したのは、居館ではぐれたハルジオンだ。クラウンの後を追うように首を振れば、意を汲んで部屋を横断する。感情的になったクラウンが、乱暴な真似をしなければいいのだが……
幸い、他の茶葉には危険な植物は混ざっていない。王族が口にするものだけあって香りの強い上等品ばかりだ。ついでに薬種の内容物も確認したが、使われている薬草・薬花・種子の調合にも間違いはない。ただし、相当、苦みの強い薬液が出来上がるはずだ。
「……ねぇ」
「え?」
裾を掴む小さな手。セシル王女が見上げている。クラウンと同じ白金の髪は、母親譲りの美しい髪だ。
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