七章/狼煙

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息子の頭をかき乱した後、ナツメもカムに騎乗した。 騎虎隊が負けるわけにはいかない。騎虎隊が竜に敵わなければ、国がクリニアに堕ちることを意味してしまう。搾取される側、隷属関係になることだけは避けなければ──…… それぞれの部下を引き連れ、ハズマは塔へ、ナツメは町へ向かって駆けた。対峙する敵は過去に経験の無い大きさだが、対竜戦は避けては通れない未来だった。来るべくしてきた迎えたこの日のために、ノアも騎虎の頭数を増やして備えてきた。 決して無駄な年月では無かったはずだ──…… 「気を引き締めて行くぞ!!」 「「「「「はい!!」」」」」 町の入り口では、サーバル達先発隊が応戦中だ。白い蒸気の向こう側から現れたのは青褐色の竜。 竜の見た目年齢なんて知るはずもないが、不思議と自分より若いんじゃないかと、そんな風に感じた──……
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