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「危ない!!」
「!?」
思わぬ衝撃にマナの体は弾け飛ばされた。
竜に払われた騎虎が直撃し、瓦礫の山から不格好な体勢で居住区側へ落ちる。飛んできた騎虎の下敷きになることは避けられたが、呼吸するだけで肺が痛む。地面に片手をつけば、全身に激痛が走り息が詰まった。
「マナ! マナ、大丈夫!?」
「こんなに怪我をして……貴女に無茶をさせてしまったわ、ごめんなさい……ッ……」
「……大丈夫……それより2人も早く外……ぐゥッ……」
「貴女を置いていけるわけないでしょう!? 誰か、誰か代わりの人を──……」
見上げた視界に入ったのは、こちらを見下ろす竜だった。
面白いものを見つけたような、何をすれば自分が楽しくなるか気付いたような……歪んだ顔で竜は笑った。
それを察した騎虎隊員が、家族に即刻、避難を呼びかける。
「逃げろ!!」
たった一言、それを言うために竜から目を背けた隊員は、相棒の騎虎もろとも地面に叩き落とされた。
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