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逃げ場を失った母子とマナは、これ以上にない楽な標的だろう。火竜の火炎放射が向けられれば、3人の命は炭へと変わる。
「……ユーリ……ッ……お母さんから離れるんじゃないよ」
「……お母さん……ッ……」
我が身をていして炎から子を守る母の姿は、12年前、自分とアルトを守るカイジの背中と重ねて見えた。
あの時はただ、守られるだけだった。
泣き叫ぶだけで、誰かを守ろうなんて考えてもいなかった。
でも、今はそうじゃない。
助けたい命はここ以外にもあるのに、駆けつけることも出来ない。
力が足りない、体が足りない。
何もかも至らない……
……──なんて、冗談じゃない!!
「ミスチバス!!」
「!?」
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