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「マナ、どういうことか説明しろ。なんだ、その角は。そもそもお前は何者なんだ。どうしてあの場にいたのか……俺にはさっぱり理解できない」
この場にいる誰もが抱いた疑問を直球でぶつけたのはナツメだった。感情的な声になってはいるが、それはいつものこと。苛立ちを隠そうともせず、マナを恐れることもなく、無骨な物言いに気を遣うのはハズマの役目だ。
「ナツメ、責めるような言い方はよせ」
「別に責めているわけじゃない。妻子を守ってくれたんだ、感謝だってしている。ただ、コイツが竜族と分かった今、得体が知れないというのが正直なところだ」
「得体が知れないって……」
「この国に竜はいない。つまりお前は、クリニアから来た竜、てことだな?」
「……」
ナツメの問いかけに小さく頷いた後に、「……風竜、です」と躊躇いながら答えた。
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