二章/フェアリーリング

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彼女たちの大きさは小指サイズ。揃って緑色の服を着ているため、確かに草原や牧場といった若草色の中では見つかりにくいものかも知れない。 (違う、違う、そうではないの) (私達ピクシーは、決して人の目に見えるものではないもの) (貴女は自分が人ならざる存在だという自覚は持っているの?) 「……え、あの……」 (((持っているのね?))) 「……」 悩んだ末に本当に小さく、曖昧に頷いて見せた。 その応えを見て、考える仕草を見せる者が1人。頭を抱える者が1人。ほっぺたを抓る者が1人……体の割に力強く、おかげですっかり目が覚めてしまった。 (……貴女はまだまだ子どものようだから、私たちと約束を交わしましょう) 「約束?」 (私たちを捕まえようとしないこと) (私たちの存在を口外しないこと) (歌を歌っている時は、絶対に邪魔をしないで) (((その3つ!))) 「……分かり……ました」 (約束さえ守ってくれるなら、私たちも微力ながら貴女の力になりましょう) (本当に本当に) (微力ながら)
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