二章/フェアリーリング

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竜族と人間、それ以外の存在と初めて言葉が通じると分かった時、マナの頭は完全に覚醒した。 この国に来て5年、人間社会には馴染んできたが、サザンクロスの竜たちの存在を忘れたことは片時もない。 しかし、他国にいる竜の行方も分からなければ、探しに行く術も無い。アルト、シヴァナ、アラサンドラは無事なのか……今、どこにいるのか。 せめてそれだけでも知ることが出来れば…… 「あの、早速、力を借りたいんだけど」 (((?))) 「仲間を……探して欲しいの。私の代わりに海を渡って、仲間が無事なのか確認してきて欲しい」 (残念だけど) (それは出来ない) 「……どうして……」 (見ての通り、この大きさだもの。牧場からここへ来るのも一苦労だったわ) (見て、この翅。この翅で海風を耐えられると思う?) (現実的に考えて。頼む相手が悪すぎるわ) 「……君たちが得意なことって」 (((歌って踊ることね)))
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