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「挟まっています」
「挟んだんです。我慢していますが、すっごい痛い」
「……」
「痛いです、扉を開けてくれませんか? ……見えてますか、この状況。幼い子どもの足が、挟まってる」
「……自ら挟んだのなら、自業自得です」
「……認めます。しかし、そうまでして読みたい資料がある熱意は伝わりませんか」
「伝わりませんね」
「……扉を開けてくれたら、土下座もします。私に出来ることであれば何でも従います」
「ならばこんなところで時間を無駄にしていないで学問に励んだらいかがですか。ただし勉強が出来ても文官になるためには華家と養子縁組をしなければなりませんし高官を目指すのであれば並大抵の努力では足りません。今からでは相当な年月を要することになると思いますが何事も諦めず努力し続けることです頑張ってくださいそれでは」
「あ、待っ──……」
──バタンッ
「……ンンンンンンンンンッ!?」
この日、初めてマナは地団駄を踏んだ。博物館の扉の代わりに地面を思いきり殴りつけた。それでも怒りは鎮まらず、手当たり次第、道ばたの雑草を引き抜いた。
この程度で諦めてたまるか。
竜を怒らせたらどうなるか……思い知らせてやる……
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