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騎虎隊見習いの制服を着た少年が、3人の元に駆け寄ってきた。相当急ぎの用なのか、額には玉の汗が浮かんでいる。
「お話中のところ失礼します。2才の騎虎が暴れだし、3名の負傷者が出ました。我々では手が付けられない状況です」
「担当者はどうした?」
「振り落とされ、頭部損傷の重傷です」
「……振り落とされ、ね。騎虎の機嫌を読み間違えたな」
「2才くらいの騎虎は特に癇癪を起こしやすい年齢なんだよ」
「へぇー」
「……あの……こちらの、女性は?」
「女児」でも「少女」でもなく、「女性」……マナとナツメは見合わせた。
「四季彩署で働く下女のマナだ。ワケあって俺とナツメが身元保証人になってる。マナ、コイツは今期騎虎隊に配属されたサーバル。12才だから……お前より3つ上か」
「マナです、よろしくお願いします」
「サーバルです……初めまして」
差し出された手。少年とはいえ、身分の高い騎虎隊に触れては良いのか躊躇っていると、強引に手を掴まれた。思わず「ヒッ」と声を上げてしまったが、相手はまるで気にしていない。
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