四章/縁結び

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女の嫉妬渦巻く王城での生活を離れ、騎虎隊長と家庭を持ったケリーは、勝ち組と言っていいだろう。本人がそう言っていたのだから間違いない。女官・下女の間で起きた熾烈な女の争いは、仕官直後からケリー本人に聞かされてきた。 『女の嫉妬ほど怖いものは無い』、と。 (知っていますか、マナ。王妃様は病気療養のために離れの別館で過ごされていますが、先日、食事に毒を盛られて生死の境を彷徨ったようです) 「え」 (命は取り留めました。しかし、現在王城内では犯人捜しをしています) (先だって食事を用意した女官全員、処分されるそうです) 「え、全員? 処分って……」 (……) ハルジオンは、摘んだ花の頭をもぎ取って捨てた。 「……分かりやすいけど、恐ろしい」 (国王陛下の命令です) (ですので別館では人手が足りず、王城仕えの者を幾人か異動を命じたそうなんですが) (王妃様はそれを拒んでいるそうです) 「……まぁ、犯人が見つかってないとなると、信用に欠ける人間は近付けたくないよね」
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