国語教師にくそみそ言われる

3/6
前へ
/55ページ
次へ
くそが、学園ドラマの主役はどうしてみんな暇そうなんだ?俺はもう全然余裕がない、他人を心に入れる余裕がまるでない。もう17歳だ。17歳という年齢はあらゆるところから「将来どうする?」と聞かれる立場なんだ。 分かるわけねえだろ?何が将来だ!こんな落ちぶれていく国に将来なんてあるわけねえだろ!どんだけ高齢化進んでんだ!都合悪いことは全部若者に押し付けやがって!この国語教師だってそうだ、俺達を見下してやがる!くそが! 俺が怒り狂いながら鉛筆で教科書を黒く塗っていると、国語教師が話しかけてくるんだ、くそが。 「おい、君はきちんと授業に集中しているのか。なんだ国語の教科書を黒く塗り潰して。太宰治をきちんと読んだことがあるのか君は?三島由紀夫の文芸表現に感銘を受けたこともないのか君は?芥川龍之介の短編すら読んでいないんじゃないか?本当に、君のような人間は文学をきちんと学び直さないとダメだな。さもないと、国語教師を馬鹿にするような、さもしい、むなしい、誰からも読まれない、誰からも評価されない、文字数を埋めるだけの、恥ずかしい恥ずかしい、ネット上の片隅にアップするだけでも恥の上塗りでしかないような文章を書いてしまうプライドだけが高い愚かな人間になるだけだからな!さあ、みんな笑うんだ!」 国語教師はそこそこウケがいい野郎だったこともあり、教室の皆はまあポツポツと愛想笑いはしてくれてんだよ。そんな現実が無償に腹が立つ。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加