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「すみません、俺はとても真面目な人間なので、きちんと謝罪します、でも俺はきちんと授業は聞いていました、俺は馬鹿で屑でしょうもない人間ですが、きちんと人の話を聞こうと努力はできる人間です」
俺は小声でぼそぼそこうしゃべってやったんだ、でも国語教師はせせら笑うだけだ。
「ぶつぶつと何かを言っているな。こういうようにはっきりと物事を言えない人間というのは実社会で苦労する。ああ、私は君に同情するよ、こんなにぼそぼそしゃべる人間の末路はそれはそれはひどいものだということが容易に想像できるからね!」
そう言って教師は晴れの日の素晴らしさを体験したような子供のごとき笑顔で、明るく正しくハッキリと、それはもうハッキリと笑うんだ。教室の奴らがつられて笑ってしまうぐらいハッキリとな。
18番は頬杖ついて、窓の外を眺めていたが、一瞬俺の方を見て、指を小さく鳴らした。
俺は激しい怒りが自分の中で着火したような気がして満面の笑みを作りながら、国語教師を睨んで、指を鳴らしてやった。
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