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『路線案内:ヤクザ路線、ギャング路線、戦争路線……』
穏やかでない言葉の数々に思わず、えっ、と声が漏れた。
これはとんでもない場所に来てしまったのかもしれない。
「お客様、何かお困りでしょうか?」
男の駅員が近づいてきた。
「いや、あの…。
この路線案内どういうことですか?
山手線とか、中央線とか、そういう路線じゃないんですか?」
「あ、なるほど。当駅のご利用は初めてでいらっしゃいますね」
駅員は、クックックッと不気味に笑いだす。
「ようこそ、シ、ネ、駅へ」
おいおい、ここはヤバイ場所だ。
人身売買とか、そういう危ないところなんじゃないか。
「あ、お、俺、間違えました!」
入り口に戻ろう。
咄嗟に後ろを振り向き、駆け出した瞬間、
駆け寄ってきた2人の駅員に肩をつかまれ、
身動きが取れなくなった。
最初の駅員が不気味な顔で近づいてくる。
「ちょっと待って、俺、まだ、死にたくない」
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