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駅員が近づいてくる。
ドクッ、ドクッ、、
心臓の鼓動が止まらない。
駅員の顔が目の前に来て、
思わず目をつぶった。
「お客様、お客様」
目を開くと、駅員が心配そうな表情で、
こっちを見ている。
「申し訳ありません。ちょっと勘違いさせてしまったようで。
当駅はよく間違われるんですが、
生きる、死ぬ、の、シネ駅ではございません」
「え、なんですか。
でもここの地名でもないですよね。
何なんですか、シネって」
「はい、当駅は、映画の世界に行くことができる駅なんですよ
この駅は、シネマステーション、通称シネ駅と言います。
様々な有名映画に入り込んで、キャストを演じることができます」
「映画の世界? どういうことですか」
全く想像してない答えが返ってきて、ただ戸惑った。
「映画の作品の中に入り込んで、与えられた役をこなして頂きます。
この駅は、映画の世界へ通じる始発駅なんです」
「キャストを演じる?
え、演技するってこと? セリフを言うとか?」
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