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「いいか、よく聞けよ...辛い時には逃げたっていいんだよ。お父さんはお前がいちばん大切だからな!だから泣くな、男だろジョージ。」
「うん!」
「さぁ、ちょっと待ってろよとびきり美味しいハンバーグ作るからなー!」
僕はお父さんがいる限りどんなことだって乗り越えれる。
そう思ってた。
でも、現実はそうじゃなかった、、、
今日で13歳になった。
未だにというか年々俺に対する、嫌悪の目が強くなってきている。
嫌がらせもエスカレートしているが、全然気にしていなかった。
「ただいま?」
しかし、返事はない。
いつもなら帰ってきてる時間なのに...
「キャー!!!」
家の近くで悲鳴が聞こえた。
嫌な予感がする。
「お父さん...!お父さん...!」
俺は周りの目なんか気にせずに必死に悲鳴のした方へ走り抜いた。
悪い予感は的中していた、、、
お父さんが血だらけで地面に横たわっていた。
俺はすぐさまお父さんの傍にいった。
「お父さん...!起きてよ!ねぇ!」
ひどい出血だ、早く手術をしてもらわないと。
「だれか!早く医者を呼んでくれ!!」
だが、俺の想いは虚しく皆は無視をしている。
見て無ぬ振りをしている。
「お願いだ!誰か!誰かお父さんを...!」
「もう...いい...」
お父さんがと口を開いた。
「ごめん...な、お前の...誕生...日ケー...キ買ってやろうと...思っていそ...いで出かけたら...誰かに刺され...て」
「もう、分かったから...喋らないでくれ!」
「13歳に...なった...んだな、大きく...なって...お母さんが...見たら...びっく...りするだ...ろうな。」
「お願いだから...」
必死に手で血を止めようとするが...止まらない。
お父さんの息がだんだん薄れていく...
「お誕生日おめでとう...!」
声には出なかったが口の形ではっきり分かった。
お父さんは完全に息をしなくなった。
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