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『僕のことはいいから、父さんと母さんだけでも逃げてください。僕と一緒にいると、死んでしまうから』
人間は驚いたように目を開き、そして笑いました
『大丈夫。父さんと母さんが簡単に死ぬように見えるかい?』
『そうだよ。それに、言ったじゃねぇか。ずっと一緒だって』
モンスターは泣きました。
そして、決意しました。
モンスター達を止めて、人間達を説得して、また幸せを取り戻してみせると。
モンスターはモンスター界の王、アズゴア王に話をしにいきました。
『王、僕は〇〇と申します。今日はあなた様にお話があってここに参りました』
『そんなに固くならなくていいよ。さぁ、話してごらん』
『…非常に申し上げにくいのですが、僕は人間が悪い人とは思えないのです』
『私も、そう思うよ。でも、ここでやめてしまえば我々は地下に放り込まれてしまう』
『だからって、何も殺す事はないでしょう!?』
『…〇〇、君は人間の味方をするのかい?』
『…それは、その…』
『人間の味方をするのなら…』
アズゴア王は、大きな槍をモンスターに向けました。
そして、冷たい声でこう言いました
『死んでもらうしかない』
モンスターは、人間の味方でした。
親が人間だから、尚更でした。
モンスターは、死ぬ事を受け入れました
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