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地下らしきところ
「…あの、大丈夫ですか…?」
鈴の音のような、可愛らしい綺麗な声で目が覚めた
そういえば、落ちてきたんだ
ということは、天国?…いや、地獄か。私が天国に行く資格なんてない
「うう、どうしよう…人間なんて何年ぶりだから接し方わかんないよぉ…」
というか、すごく困っているなこの…人?
声をかけようと喉を震わせたが、掠れた呼吸音しか出なかった
都合よくポケットに紙とペンが入っていたため、それに文字を書く
「…何書いてるの?」
ひょこっと覗き込んでくるその人?は目の辺りに包帯を巻いていた
これだと書いた文字が見えないのではないだろうか…
そんな心配をしていると、もう1つの気配を感じた
「おーいAlter、何が落ちて…………」
「あ、サンズさん」
「…………人間か?」
「うん、でも何にも喋らなくて。今紙に何か書いてるの」
『サンズ』と呼ばれたその人?は私に近づいてこういった
「あんた、声が出ないのか」
こくこく、と首を縦に振って肯定を表す
「そうか、ならこんな所にいても何も出来やしないな。着いてきてくれ、家に案内する」
サンズに手を握られ、そのまま引っ張られるようにして歩き始める
オルタ、と呼ばれていた人?は私の左手を握りしめ、ふわりと笑った
顔の大半が見えないのに、すごく可愛いと思ってしまった
「ぼくAlter!英語表記めんどくさいからオルタでいいよ」
メタイ
「オルタ、ここではメタイことは言っちゃいけない。わかったな?」
「?はーい」
そんな二人を見ながら、僕は真っ白な世界を歩み始めた
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