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たどり着いた魔王城には、おびただしい数の魔物たちが集まっていた。皆がルカに仇なすものたちなのか、それとも守ろうとするものなのか見当がつかない。
息を切らせながら重厚感たっぷりの扉を押し開いた。
ルカの強さは知っていた。
しかし、目の前に見たのは全身血だらけで、今にも殺される寸前のようなたくさんの魔物に囲まれ牙を向かれたルカの姿ーー。ルカを守るように剣を抜いたアビルやジュマルは必死に戦っているというのに。
リュカは、大きく息を吸い込んで叫んでいた。
「ルカ! お前を倒すのは、俺だって言った! 勝手に殺されそうになってんじゃねぇよ!」
気づけば名前を呼んでいた。魔王ーーではなく、ルカ、と。
やる気なく、今にも殺されてやると言わんばかりだったルカは、リュカの声で生気を取り戻したように顔をあげた。
「リュカ」
とても切なげに、儚げに名前を呼ぶ。次の瞬間表情に力が籠り、魔剣と呼ばれる剣を抜いた。それを抜く姿は初めて見る。
ルカの纏う空気が変わった。それは襲撃してきた魔物たちにも一瞬で伝わる。
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