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 しかし、一匹の魔物がそれにも怯まず攻撃を仕掛けた。ルカは剣を一振りして一瞬にして魔物を消し去った。  そのまま一気に飛躍し魔物たちを切り捨てていく。魔剣の力で一気に切り捨てた辺りの魔物を巻き込んで消し去っていく。 「くそ。今回は引くぞ! 撤退だ!」  一人の魔物の声が響いた。  その魔物が、一瞬リュカを見る。ガチリとかち合った視線に、とても恐ろしいほどの殺意を感じリュカは足がすくみそうになった。  真っ赤な髪。短い短髪だが一掴みだけ長い髪を金の金具で止めている。冷淡で残忍そうなきりっとした表情の男だった。  あれが、恐らくギオラだろうと、リュカは確信した。  その男の号令により魔物たちは一時撤退していく。  残されたのは、ルカとリュカ、そしてアビルとジュマルだ。アビルとジュマルも傷を負っていた。 「リュカ!」  騒ぎが落ち着いたあと、ルカがリュカの名前を呼び駆け寄った。  青ざめた顔はリュカの肩口の傷を見たからだろうか。
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