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「誰がこんなことを・・・。教えろ。今すぐ消し去ってやる」 「いい! 自分でやった!」 「自分で・・・・・・? リュカが?」  今にも飛び出していきそうなルカを慌てた様子でリュカが止める。リュカの言葉にルカは驚いたように目を丸くさせた。  そして、その言葉の意味を悟ると、少し悲しげに眉を寄せるのだ。  リュカのきれいな手を汚してしまったのかーーと、嘆くように。 「すぐに治癒させる。じっとしていろ」 「ば、バカ! 俺なんかより、自分だろ! そんな傷だらけになって」  リュカなんかよりずっと傷だらけのくせに、リュカの傷の心配ばかりするルカに怒鳴り付ける。なぜそこまで自分を優先させられなければならないのだ。自分はいつだってルカを邪険にしたし、討伐すると息巻いているのに。 「俺のことはいい。リュカが」 「その程度の傷でさすがの人間も死にはいたしませんよ」  冷めた声が届く。  アビルが剣を納め、二人のもとにやってきたのだ。
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