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好きだ、リュカがすべてだ。そういわれ続けてきて、ずいぶんほだされてしまったのだろうか。
「なあ、魔王は大丈夫なのか」
ルカが寝落ちたことを確認し部屋を出たリュカは、アビルの姿を探した。アビルは部下たちを総動員しながら騒動の後片付けをしていた。
あんなにも大勢の魔物はどこに隠れていたのだろう。この城で見たことなどなかったのに。それも、ルカの差し金だったんだろうか。
「平気でしょうが、あの方はあまり生気を吸おうとされないので回復は遅いかもしれませんね」
「生気?」
「生きるエネルギーです。あなたたち人間が食べたり寝たりしないと生きられないのと同じで、魔王様が生きるには充分なる生気が必要なのです」
生気・・・・・・。知らなかった。
その生気が不足しているのか。だから、回復が遅いかもしれない。
だとすれば、その生気を補充すれば回復すると言うことだろうか。リュカは思案した。自分になにかできることがあるならば、と。
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