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「魔王様は多大なる魔力を持たれています。それを維持するにも生気は必要なのです。魔王様の持つような莫大な魔力を補填するにはエネルギーが必要なため、食事からとる生気では本来なら賄うことはできません」 「食事からもとれるんだ」 「食物にも生気は含まれていますから。魔王様は、お強いですが、あまり野望などがないお方なので魔力をそれほど使う機会がありませんでした。戦いは我々でもできますし。ですから、事足りていただけのこと」  食事で得られる生気はたかが知れているということはわかった。ならば他に、何から生気を得るのだろう。 「じゃあ、他に生気を得る方法って」 「人間から吸いとるのが一番手っ取り早くたくさんの生気が得られます」 「へっ!?」 「生きる力である生気は、吸われ過ぎると死に至りますが、際限を把握しておけば平気です。過去の魔王様は、何人かの人間を捕らえ、生気を吸い、食事と睡眠をとらせ回復させてから生気を吸うを繰り返し、生気を得ていたと言います」 「生気は、回復すんの」 「ええ」  過去の魔王、か。そんなことも、知らない話であった。  回復すると言うのなら。
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