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 ルカはとてもスッキリした気分で目が冷めた。いつもどこか枯渇しているような空虚ばかりを感じていたというのに。この感覚は、以前リュカに思わず口づけをしてしまったとき感じたものと同じだった。  なぜーー。  瞳を開け、体を起こすとその問いの答えにはっとした。 「リュカ!」  ベッドに半身倒れ込んでいるリュカを見つけ、慌てて揺さぶる。青ざめた顔をしている。以前口付けたときよりもひどい顔色だった。  リュカは加減がわからずギリギリまで生気をルカに明け渡してしまったらしかった。 「ーーアビル! アビルはいないか!」  ベッドから起き出し、扉を開いて叫ぶとしばらくしてアビルが姿を現した。アビルはちらりとルカの部屋のベッドを見て、そこに横たわるリュカの姿を確認し、ルカの怒りの原因を悟った。 「どういたしましたか、魔王様」  しかし、あえて知らぬ振りをし問いかける。その飄々とした態度にルカは苛立ちを覚えながら、アビルに詰め寄った。
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