+++ 3

28/28
799人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
「ルカ、だ」 「ん?」 「ルカと呼んでくれただろう。嬉しかったのに」 「・・・・・・あの時は、必死だったんだ」  馴れ合うつもりはないのだと。  だが、あまりルカを邪険にすることは得策じゃない。先程よぎった不安を現実にしないためにも、どうにかルカには気に入られていたいのだ。 「ルカ・・・・・・。これでいいのか」  そう、名前を呼んだだけ。  しかし、ただその一声で、ルカは心底嬉しそうに笑ったのだ。  ああーー、見なければよかった。  リュカは、そう思った。
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!