799人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
「ルカ、だ」
「ん?」
「ルカと呼んでくれただろう。嬉しかったのに」
「・・・・・・あの時は、必死だったんだ」
馴れ合うつもりはないのだと。
だが、あまりルカを邪険にすることは得策じゃない。先程よぎった不安を現実にしないためにも、どうにかルカには気に入られていたいのだ。
「ルカ・・・・・・。これでいいのか」
そう、名前を呼んだだけ。
しかし、ただその一声で、ルカは心底嬉しそうに笑ったのだ。
ああーー、見なければよかった。
リュカは、そう思った。
最初のコメントを投稿しよう!