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「生気って、どれくらいで必要になんの」
「普通に生活する分には、生気の減りはそこまで多くはない。魔力を使うことで大幅に削られる」
「ふぅん」
戦わなければそこまで問題はないということだろうか。
ならば、そこまでその行為をする必要はないかもしれないのか。いや、またギオラがいつ襲ってくるかわからないのだ。襲撃に備え、いつでも生気は満たしておかなければいけないだろう。
「前回与えてから一週間たったから、少し減ったか?」
「もらった分でいえば三分の一減ったくらいではないかな」
「満たされたわけじゃなかったのか?」
「それまで俺は、食べ物からの生気しか得ていなかった。満たされるはずがない。満たしていたとすれば、リュカは死んでいた」
その言葉にゾッとした。あの時、下手をしたら死んでいたかもしれないのか。そう思うと、もう二度とリュカが眠っている間にするのはやめようと決意した。自分ではどれくらい渡しているか、いまいちよくわからないのだ。
ルカはわかっているらしく、どれくらい吸えば死に至るのか理解しているといっていた。ルカに任せていた方が確実だろう。
「じゃあ、何回かに分けて、満タンにしよう」
「なぜ」
「なぜって、いつギオラが襲ってきてもいいようにだよ」
リュカが協力的なことにルカは少し驚いている様子だった。
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