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「じゃあーー、今くれるか?」
「い、今・・・・・・? わ、わかった」
しかし、いざ言われると戸惑うのも確かだった。いくら生気を与えるためとはいえ、やることといったらキスだ。
本来なら好きな相手、それも男女の間で交わすものだという認識だった。リュカは、ルカにたいしてそういう感情はない。ないはずだ。
「お前の部屋にいく」
「ーーわかった」
こんな廊下のど真ん中でできるものではなく、緊張しながらリュカはそういい放ち歩みを進めた。自分で決めたことだ。人間たちのため。そう自分に言い聞かせる。
ルカの部屋に入ると、ルカはベッドに腰を掛けた。その前にリュカが立つ。
リュカは、心臓がうるさく打ち付けるのを感じながらキュッと引き結んだ口のままルカを見る。
そんなリュカを見て、ルカは可笑しそうに笑った。あまり見ることのないルカの笑顔になぜかドキリとする。
「リュカーー、なにを緊張することがある」
「う、な、にが」
「生気を与えるだけだろう?」
ルカはわかってて言っているのだろうと思った。リュカを、からかって楽しんでいる。
そうはわかっていたが、リュカはなにも言い返せないくらいに困惑していた。こんなにも緊張するものだとは思っていなかった。
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