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私と君が初めて会った時、君は私にどんな印象を持っただろうか。
きっとあの完璧な笑顔の下で想像も出来ない程の罵詈雑言を呟いていたに違いない。
徹夜明けにも関わらずそんな素振りを微塵も見せないくらいの対応をする君を見る私の目がどれほど輝き、君に奪われた私の心がどれほど高鳴っていたのか露ほども知らずに、了解しました、それでは、と早々に話を済ませて私の元を去ろうとする君の後ろ姿を眺めつつ思考を巡らした結果私が君を引き止める術を他に持たなかったことをどうか許して欲しい。
あの時君が現れたことは私にとって本当に予想外で、勢いのあまり血迷って、君を寄こした彼女に対してそれまで感じなかった溢れんばかりの敬意と感謝を抱いた程だ。
こんなことは言い訳にしかならないが、ただの言い訳だと一蹴されるのを承知の上で君にこれを残す。
私に君を傷つけるつもりは全く無かったしこれからも無いが、結果的に君を傷つけることになったというのなら、それは私の思慮の浅さが及ぼした行動の結果だと言う他ない。本当にすまなかった。
私は君が好きだ。愛している。君に直接口頭で伝えられないのが残念でならない。
私に出来うる限りの労力を尽くしてその証明をしてもいいと思えるくらい、君に私が君を愛しているということをどうか信じてほしい。
願わくば、私のことも愛してほしかった。
しかしその願いは最早心の中で願うことさえも許されないと分かっている。
私は君を愛している。愛しているが、私のことはどうか忘れてくれ。こんなことを残す時点で君に対する未練があるのは既に自分ではどうしようもできない。
君が君自身の幸せを見つけることを応援している。
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