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約一年前。私が中学一年生のとき。
「お父さん、私ペットが欲しい!!兄弟いなくて寂しい思いしてんだから、それぐらい許してよ?!」
私は父にクリスマスプレゼントにペットをねだった。
「犬も好きだし、猫でもいいよ?」
「うーん、そうだなぁ。考えとくよ」
仕方なさそうに笑って父は言った。私に何だかんだ言っても甘い父はきっと買ってくれるに違いない、と私は内心思っていた。
「お母さんは犬も猫も困るわ。掃除が大変になるし、死を看取るのもきついもの」
「えー、きっと可愛いよ!それにどんなペットだって人間より早く死んじゃうよ。それでも飼いたい!」
私はこの時の母の言葉が父の思考に影響することになるとは露ほども思っていなかった。
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