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「これが噂の男子校の風景ってヤツっすね?」  パソコン部の部室で、出会うなり「会いたかったゼ」と言って抱き合うオレと佐伯を見て、後輩の葉山は白々しく感動の声を上げた。  オレは佐伯と肩を組んで不敵に笑う。 「フフフ、良かったなあ葉山、卒業した時の土産話ができて」 「それは何のネタですか?」 「ネタじゃねーよ、マジだって。なー尚志」  両手で佐伯の頬を押さえて見つめ合おうとすると、 「ふざけんな」  と、たまらず佐伯はオレの顔を逆方向に向けた。  そして葉山に解説する。 「こいつ双子の弟に彼女ができたもんだから、寂しがってんだよ」 「はー、双子だと特にそうなんでしょうかね」  二人とも、見当違いだぞそれは。 「寂しくねーよ。あのなー双子って言っても、ウチは普通の兄弟と感覚変わんないと思うよ?」 「でもこのあいだ、突然同じ歌を同じトコから口ずさみ始めたじゃないか。あれは驚いたぞ」  ああオレも驚いたよ。 「でもさ、そうゆうのって普通の兄弟でもあるだろ?」 「ないね」 「ありますよ」  葉山が佐伯の言葉を言い正す。     
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