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 双子だからかな、史人(ふみひと)の様子が何かおかしいのはすぐわかった。 「なにソワソワしてんだよ、おまえ?」  部屋でテレビゲームしながら意識はこっち向いてる史人に、風呂上がりのオレは下段蹴りを食らわせた。 「あー、あのさー、中学の時 雪会(ゆきえ)っていただろ」 「高村雪会?」 「そう。なんかさ、雪会とさ、付き合うことになったんだよね」  オレはその時、悪いが謎のショックを受けた。  弟に彼女ができた。  高校二年で彼女ができた。  とにかくオレは、尋常に言葉を返すことができなかった。  史人が言いにくそうなのとオレが混乱しているのと、どっちの空気も消し去らねば、だった。 「えっっ、どういういきさつだよ?!」  史人はオレが気まずそうにしないもんだから、緊張を解いて説明した。 「昨日、急にメッセージ来てさ」 「そういや昨日の夜、やたら通知鳴ってたな」 「んー。『樋浦(ひうら)』って書いてたから、俺じゃなくて耕平(こうへい)だったらまずいだろ? あとイタズラじゃねーかと思って、今日学校で聞いてみたんだけど、ホントだったんだよ」 「おぉー」  驚嘆してみせたが、あとは何を言えばいいんだ?  うーん。     
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