11/15 17:30>>>

2/2
前へ
/28ページ
次へ
 下手につっこまれたら駄目なんだ、この件は。  しかしやはり、史人はそれでは納得しなかった。 「俺のせいか?」  ふてくされたように史人はつぶやく。 「は? 違う違う」 「じゃあなんだよ」  言えねーよ! 「俺が雪会と付き合ってるからか?」  あぁ何か誤解してるし。  確かにそれ聞いた時もテンション高かったが、今はそれどころじゃない。 「違うっつーの」 「耕平さぁ」  史人は読んでいた雑誌を閉じた。 「前から思ってたんだけど、なんで俺と逆の事するのにこだわんの?」  なんだ突然? 「なんでって、面白いからに決まってんじゃねーか」 「そんなに俺と同じはイヤか」  オレはその時、物凄く、嫌な感じがした。  史人が嫌なんじゃなくて、なんか血の気が引くような、気がした。  史人は続けた。 「おまえ、なにも気にしないでやってるみたいだけどさぁ、わざわざ逆の事されると、すごい気になるんだけど」 「気にすんな」  やっとそれだけ言って、オレは眠いフリをしてベッドに潜り込んだ。  そうなのか、イヤなのか逆のことされんのは。  知らなかった。  聞いてなかったっての。  オレは佐伯のことと史人のこと、衝撃が二つ重なって、しばらく布団の中で呆然としていた。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加