19人が本棚に入れています
本棚に追加
11/19 17:15>>>
しばらくは史人とも佐伯とも、普通に接していた。
オレがテンション上げれば、周りは大体普通に動くモンだな。
こんな状況も慣れてくると違和感なくなってきて、だからオレは何人かの友達と街で遊んだ帰り道、佐伯と二人になった時、なにも気にならなかった。
「耕平、ちょっと話していいか?」
急な佐伯の言葉に、オレは思い切り緊張した顔で振り向いてしまった。
オレの振る舞いを不審に思うやつもいないからいいんだけど、佐伯には、まずかったかな。
佐伯はちょっと険しい表情で言い足した。
「俺の話じゃなくて、史人の話なんだけどな」
「なんか、言ってたか?」
佐伯は駅に向かう足を止めて、その辺のベンチに腰掛けて長い足を組んだ。
オレも隣に同じように腰掛ける。
「耕平が何か隠してるとか言うから、俺と揉めてるんだって言っといた」
「悪いな……」
佐伯も言い難かったろうに。
史人あいつ、なにも関係ないのに悩ませてたんだな。
「史人な、耕平が高村を好きで、そのこと我慢してんだと思ったらしい」
「は?」
何故に?
最初のコメントを投稿しよう!