11/19 17:15>>>

1/3
前へ
/28ページ
次へ

11/19 17:15>>>

 しばらくは史人とも佐伯とも、普通に接していた。  オレがテンション上げれば、周りは大体普通に動くモンだな。  こんな状況も慣れてくると違和感なくなってきて、だからオレは何人かの友達と街で遊んだ帰り道、佐伯と二人になった時、なにも気にならなかった。 「耕平、ちょっと話していいか?」  急な佐伯の言葉に、オレは思い切り緊張した顔で振り向いてしまった。  オレの振る舞いを不審に思うやつもいないからいいんだけど、佐伯には、まずかったかな。  佐伯はちょっと険しい表情で言い足した。 「俺の話じゃなくて、史人の話なんだけどな」 「なんか、言ってたか?」  佐伯は駅に向かう足を止めて、その辺のベンチに腰掛けて長い足を組んだ。  オレも隣に同じように腰掛ける。 「耕平が何か隠してるとか言うから、俺と揉めてるんだって言っといた」 「悪いな……」  佐伯も言い難かったろうに。  史人あいつ、なにも関係ないのに悩ませてたんだな。 「史人な、耕平が高村を好きで、そのこと我慢してんだと思ったらしい」 「は?」  何故に?     
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加