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「でも逆やって損したとか思ったことはあるだろ？」
「ないない！ オレ、マジで単に面白くてこうしてんだから、ホント気にすんなよ、……ってのはダメ？」
史人は色々考えてるが、オレは単純に楽しいことしか考えられない。
逃げかもしれないが、楽しいのは悪じゃないだろ？
オレはこれ以上どうにもできないぞ？
と、史人をすがるように見ると、史人は、いつものようにオレの期待通りに笑ってくれた。
「しかたないな、わかったよ」
本当に、遠慮してない、嘘をついてない笑顔。
そうそれ、その顔だ、って思った。
オレはどこにいても周りの人間のこういう顔を見たい、だからいつもウケを狙ってたりするんだ。
オレはホントそれだけの人間で、影で苦労してたりはしないんだよ。
でもオレも反省しないと。
面白おかしくしてるだけじゃ、マズいこともあるんだ。
「史人さぁ、他にもオレ、なんか知らないうちに迷惑かけてたりしない？」
「んー急に言われてもな、ってそういえば耕平、佐伯となに揉めてんの？」
うっ、それは、言えない。
あれも、面倒が嫌で逃げてたんだ。
佐伯にも迷惑かけてる、オレは。
面白おかしくしてるだけじゃ、マズいこともあるんだ。
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