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11/05 15:50>>>
「これが噂の男子校の風景ってヤツっすね?」
パソコン部の部室で、出会うなり「会いたかったゼ」と言って抱き合うオレと佐伯を見て、後輩の葉山は白々しく感動の声を上げた。
オレは佐伯と肩を組んで不敵に笑う。
「フフフ、良かったなあ葉山、卒業した時の土産話ができて」
「それは何のネタですか?」
「ネタじゃねーよ、マジだって。なー尚志」
両手で佐伯の頬を押さえて見つめ合おうとすると、
「ふざけんな」
と、たまらず佐伯はオレの顔を逆方向に向けた。
そして葉山に解説する。
「こいつ双子の弟に彼女ができたもんだから、寂しがってんだよ」
「はー、双子だと特にそうなんでしょうかね」
二人とも、見当違いだぞそれは。
「寂しくねーよ。あのなー双子って言っても、ウチは普通の兄弟と感覚変わんないと思うよ?」
「でもこのあいだ、突然同じ歌を同じトコから口ずさみ始めたじゃないか。あれは驚いたぞ」
ああオレも驚いたよ。
「でもさ、そうゆうのって普通の兄弟でもあるだろ?」
「ないね」
「ありますよ」
葉山が佐伯の言葉を言い正す。
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