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11/01 22:30>>>
双子だからかな、史人の様子が何かおかしいのはすぐわかった。
「なにソワソワしてんだよ、おまえ?」
部屋でテレビゲームしながら意識はこっち向いてる史人に、風呂上がりのオレは下段蹴りを食らわせた。
「あー、あのさー、中学の時 雪会っていただろ」
「高村雪会?」
「そう。なんかさ、雪会とさ、付き合うことになったんだよね」
オレはその時、悪いが謎のショックを受けた。
弟に彼女ができた。
高校二年で彼女ができた。
とにかくオレは、尋常に言葉を返すことができなかった。
史人が言いにくそうなのとオレが混乱しているのと、どっちの空気も消し去らねば、だった。
「えっっ、どういういきさつだよ?!」
史人はオレが気まずそうにしないもんだから、緊張を解いて説明した。
「昨日、急にメッセージ来てさ」
「そういや昨日の夜、やたら通知鳴ってたな」
「んー。『樋浦』って書いてたから、俺じゃなくて耕平だったらまずいだろ? あとイタズラじゃねーかと思って、今日学校で聞いてみたんだけど、ホントだったんだよ」
「おぉー」
驚嘆してみせたが、あとは何を言えばいいんだ?
うーん。
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