隠居が通る1

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かと言うとどうでしょう、奄美大島では盛んに栽培しているそうですがと言うので、明日吉衛門に聞いてみようと言ったのです、あんまり土地の肥えていなくて水分と熱い所すなわち、 南国に良く育つそうだ、 ここは陽の照る時間が長く雨も多いので育つはずたと言うと、みなが良くご存知ですねと言うのでオランダの本に書いてあったな、なんでもニューギニアととか言うインドの近くの島が、 原産地らしいと言ったのです、砂糖は高値だから育ては民のいいみ入りになるだろうと言うと、薩摩様の専売だそうですから義弘様に叱られるのではと言うと、そんなに沢山栽培しなけ、 ればいいだろうと笑ったのです、 わしの隠居で熊造も夏正の家臣になりこの城下に住んでいるはずだが、会ったのかと聞くと、ええ、母上もとても元気でした、弟は江戸勤番で夏正の近習頭をやっております母は温かい、 処に戻れて喜んでいます、父は騎馬奉行で毎日配下を訓練していますと言うので、そうかみんな元気で何よりじあと言ったのです、そうだ今日はそなたの父と一献かた向けようと言うと、 それでは呼びに行かせますと言うと部屋を出て行ったのです、 暫くすると熊造が1人の男を連れてやって来て部屋に入り、騎馬鉄砲隊頭をやっています川上彦之進に御座いますと言うので、おう、戦がなくなったと言っても武士ならばいつでも戦に、     
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