隠居が通る1

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まるで領主みたいだのうと言うと、夏正が江戸勤務なれば私が変わって民の暮らしぶりを見ているのですというので、成るほど、それではわしも一緒にまいろうぞと言うと、ハイ、楽し、 みに御座いますと笑ったのです、楽しく昔話しをしながら酒を飲み、それでは休むとするかと言って寝所に行くと、お絹が寝酒を持ってきて酌をするので飲み干すと、今夜の夜伽はみな、 にさせますると言うので、 お絹で良い、但し子が出来てももう分家してやれぬぞと言うと、私で宜しいのですかと言い、国はいりませぬ夏正の家臣にすれば良いのですと言ったのです、それでは明日はみなにしま、 しょう、でないと、みなが悲しみますると言うので、あい分かったと言うと、それでは用意をしてまいりますと部屋を出て行ったのです、寝間に入っているとお絹が部屋に入ってきて、 行灯を消してフトンに入って来たので、 裸にして燃え上がったのです、行為が終り久しぶりに殿にお情けを頂ました、嬉しゅうございます、いつまでも気をつこうて下さり、絹は幸せ者ですというので、何と言うても最初の、 女子だからのうと笑ったのです、久ぶりじあ、明日は暇じあよってもう少し2人で飲もうと起き上がると、それでは塩辛と飛び魚の塩焼きに高菜漬けを用意してみなも呼びましょうと、 みつくろいをして部屋を出て行ったのです、     
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