隠居が通る1

7/719

47人が本棚に入れています
本棚に追加
/719ページ
痛みいりますると言うので、我々にあまり気はつかわんでも良いぞというと、それではそれがし達は、まだ見回りがありますればと、傍を離れて山を下って行ったのです、 ご苦労な事だなと言うと、森林方の頭、野崎進三郎が領民だけに任せぱなしに、するなと言うているそうですと言うので、藩主のお袋様が山歩きするのだ知らん顔は出来まいと笑ったの、 です、この上の藪にキジが沢山おります、今日の鳥なべの材料にしましょうと言い、火を消して水をかけて、残ったイワナを籠にいれ、山を登ると原っぱに出たのです、二人が鉄砲を、 下ろし、 火薬と玉をこめて火縄に火をつけて、お絹が藪の後ろに石を投げると、ガサガサと音がしてキジが藪から5匹走り出したのです、2人が狙いをつけて引き金を引くと、ずど~ん、ずど~ん、 と音がして二匹が倒れたのです、そばに行き血抜きをして籠にいれたのです、見事な腕じあと言うと、女子でも戦の役に立ちますよとお絹が言うので、まさにその通りじあなあと笑った、 のです、 さあ、それでは向こうへ回っておりましょうと、山を下っていったのです、麓に出ると畑で働いていた百性が土下座するので、手を休めなくてもよい、ほれ立つのだと声を掛けると立ち、     
/719ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加