新命路

　元々は、マーの・・ジョッシュの母親の”神話人種”の細胞をあれこれ改造して生まれた、マーと同じ”神話人種モドキ”だったともいえる。だから、この先、彼女がどこかで安定するのか、それとも一夜にして”崩壊”するかさえ、まったく予測できないのだ。

　今は、もう、こんな乱暴な実験は行われていないが、しかし、メイは間違いなく”不死鳥結社”の実験が生み出した”遺産”だったのである。
　”非神話人種”という意味では、誇り高い彼らの中で完全に異物扱い、実際は手ひどい差別を受けており、今の”いたずらっ子”の見かけとは、実はまったく違う屈折を彼女の内面に作っているのではないか、それが西城にはわかっている気がする。

　そのときにはやがて、何かをしでかすのだろう。自分も出張ることになるのではないか。
　このアラスカ基地の司令の役目として、だ。けっして小間使いなどではなく、だぞ。