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なんと、マーは、”不死鳥結社”の人間どもをたぶらかして、世界の支配者になることを画策したのだった。
それが、彼女を生み出した不死鳥結社の人間どもへの復讐であることも知らないで、連中は、その天才の手のひらの上で踊らされていることも知らないままに、核戦争を起こそうと、昼夜兼行で努力していたのだった。それが、彼らの神を喜ばせる結果になると信じて。
しかし、そこに齟齬が発生した。そのカラクリに気がつき始めた結社の幹部を、そのふるさとに逃げ込んでいたのを、その田舎町ごと葬ろうとしたことからだった。
それまでも、反抗的な幹部を、そのふるさとごと葬ってきたのだが、それに失敗した。
チェンバースという町、そしてターゲットの幹部は、ジム・パットンであった。
そこから、マーの計画が狂いだした。
チェンバース防衛に一役買ったのが、ルーナ王女率いる”大連盟”の幹部、超絶レベルの超能力者たちだったのである。
そこから、展開は急転直下にグダグダになる。
マーの一番の手先であるセイタンズ・エンジェルスがチェンバースで事実上壊滅したこともあるが。そのことに切れたジム・パットンが完全に裏切って、ルーナたちに結社の情報をリークしたのである。
期を同じくして、故あって”飼い殺し”にしていたキム・アラーヤがその幽閉していた屋敷から脱走した。
ことほど左様に、”不死鳥結社”の構成員というのは、この国のエスタブリッシュとかいうことで、ふんぞり返っているがその中身は、お粗末極まりないのであった。
というか、そういう人間でなければ、マーの口車にのることはなかったということなのだが。
どうしたことか、キムとパットンにそそのかされた不死身人間のジョッシュという少年が、このアラスカ基地を目指して、本土から北上してきたのだった。
どうせなら、”大連盟”の人間が攻め込んで来ればよかろうにと思ったのだが、現実はそうだった。
”それを、グランサタンは望んでおられない”あるいは”それを、グランサタンは望んでおられる”それが、マーの殺し文句であった。
不死鳥結社のバカな大人どもは、マーではなくマーの背後にいる”グランサタン”に忠誠を誓っていたつもりであったのである。
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