第二 竜と再、助と隠

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自由行動が可能となったため、王宮内であれば一人で行動しても良いということになった。王宮の外は護衛が必要になるらしいけれど、それが出来るならありがたいので文句は言わない。まずは図書室に行ってみようと思っている。【聖女】について、私より後の人の扱いはどうだったのかが知りたい。ただ【聖女】関連の本は禁書庫に多いためあまり期待はしていない。 図書室に着くと誰かの話し声が聞こえてきた。今はいると会話の邪魔になるので扉の前で待つことにした。多分だけど、男の人二人で話をしているように聞こえる。会話は途切れ途切れにだけど【聖女】とか選定…そんな単語が聞こえてくる。私とセシルちゃんのどちらが【聖女】かって話をしているのかな。 「本来なら聖女がお亡くなりになる前に次を探さなければならなかったが、どうして今回は探さなかったんだ?」 「探した…が、反応を示す者がいないと言われていた」 「聖女自身がそう仰っていたのか?」 「そうだ、間違いはない」 「…なら、あの二人のどちらかが本物と言えるのか?」 「聖女のことは聖女にしかわからないからなんとも言えないな」 …聞いてはいけないものを聞いた気がする。私は聖属性魔法は一切使わなかった。【聖女】を探す方法は、次になる者が聖属性魔法を使わないと誰もわからない。私が気付いたのはステータスを見たからだし、聖属性魔法は使うことがなかったから誰にも見つからなかった。 普通は幼い頃スキルの中に属性魔法があれば一度は使うものだからね……。 今聞こえた二人の会話からするとその事は知らないということになる。
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