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だんだん、小テスト不合格のことや、クラスで成績が一番下だったことに悔しくなった来妃菜は家に帰り、自分の部屋で大声で泣きました。
翌日、教室に行きづらくなった来妃菜は、保健室登校をするようになります。
「何か、中学の頃に戻ったみたい。私、もう、ここで終わっちゃうのかな……」
過去を繰り返しているようだと、彼女は保健室にあった長椅子に座ってはため息をついていました。
保健の先生は不在だったため、独り言はいくらでも言える状態でした。来妃菜は思ったことを口に出しまくっていました。
そうしているうちに今度は涙があふれてきます。そのとき、保健室の扉が開きました。誰か生徒二人が入ってきたようです。来妃菜は慌てながらハンカチで涙を拭います。
「失礼しまーす」
「保健の先生いねえー」
「けど、一人いるよ」
「本当だ」
「あ、こんにちは、初めまして」
来妃菜は生徒二人にあいさつをしました。
「ねえ、君って科は何?」
生徒二人のうち一人、黒髪の後ろをピンクのヘアゴムで一つ縛りをした女子が来妃菜に声を掛けます。
「普通科?」
と、生徒もう一人、金髪の七三パーマの男子も来妃菜に尋ねました。
「いえ、被服科です」
来妃菜が答えると、生徒二人も彼女が質問する前に自分たちが何科か話そうとします。
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